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PRODUCTION NOTE
プロダクションノート

最終日はセスナの機内で大暴れ
撮影最終日は狭いセスナの中での男性キャスト陣のドタバタ劇。「誰が身代金の入ったバッグを落とすか」で揉めに揉めまくるという、最後までやはりハイカロリーなシークエンスとなった。この数日ですっかり親しくなっていた俳優陣は、最終日ということもあってかいつも以上にテンションが高め。セッティングの合間、自然と全員でセリフ合わせが始まるが、これから本番を控えているとは思えないほど全員がMAXの声量で叫び合っている。セスナの機体はもちろんセットだが、巨大扇風機から吹き出す凄まじい強風は容赦なく俳優陣を直撃! 機内の飾りつけはもちろん、草野のメガネも吹っ飛ばされ「カット」がかかった後、スタッフ総出で草野のメガネを探す事態に……。まさかの機外で発見されたメガネに西島も笑いながら、「メガネはCGで作ってもらいますか」と冗談を飛ばしていた。またこのシーンで最も薄着の魚山は、「寒い!」を連発。上空設定であるにも関わらず、半袖の体操着のような恰好でセスナに乗り込んだ魚山に、一斉に罵声を浴びせる男たち。あまりに大人げない男たちの様子に、「何回も見てるはずなんだけど、面白い…」と笑いをこらえるスタッフの姿も。ちなみにこの日の西島は、「遠藤さんの格好がドリフの仲本工事さんにしか見えない・・・」と、最後まで笑いをこらえるのに苦戦していた。
そしてこの日最も体力を使ったであろう俳優は、撮影前日に三谷監督のアイデアでアクションが大幅に変更になった小磯役の瀬戸。どんなシーンを演じたかは映画館でのお楽しみとして説明は避けるが、三谷監督もモニターの前で静かに体を折って笑いをこらえていた。最後の最後まで全力の芝居場が続き、ラストの「カット」がかかると全員がしばし機内で呆然(笑)。セットから出る時、思わずよろけた遠藤に「めちゃくちゃ疲れが出てるじゃないですか!」と笑顔でツッコむ小林もヘトヘトの様子。疲労困憊ながらも「やりきった」充実の笑顔で、互いを労わりながら現場を後にした俳優陣。これだけのキャリアがある彼ら全員が、「楽しかった」「終わるのが寂しい」と口々に言い合っていた姿が印象的であった。