PRODUCTION NOTEプロダクションノート
長澤の驚異の“演じ分け”
俳優陣にとって楽しくもハイカロリーなシーンが続く中、堂々たる主演感で作品を牽引したのは、やはり長澤まさみだった。「後半のスオミと夫たちが対峙する大事なシーンは、いろいろ考えた結果、最初は、ここはあえて細かくカットを割った方が面白いと思っていました。でも現場で長澤さんのお芝居を見ていると、このシーンこそワンカットの長回しで、彼女の芝居だけで見せるのがベストだと考えを改めた。長澤さんのお芝居が完璧だったから成立したことです。4分半以上あるシーンでしたが、ずっと長澤さんだけを見ていても十分もつ。彼女はそれだけの力と魅力を持つ人。膨大な台詞を語りながら、コロコロと表情を切り替えていかなくてはならない、とてもハードなシーンでしたが、彼女は素晴らしかったです」(三谷監督)夫陣も長澤の熱演と凄まじい集中力を口々に絶賛。それを三谷監督が長澤に伝えると、「ホッとしました。撮影中は誰の言葉も信じられないという病気に罹っているので(笑)」と安堵の笑顔を見せる。「気を抜かず淡々とやるというのが自分の性質に合っているので、余計なことは考えずにとにかく前に進もうと思って臨んだシーンでした」圧巻の“演じ分け”は長澤まさみの真骨頂とも言うべき仕上がり。ぜひ大スクリーンで堪能してほしい。
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